2024.11.21
AfterWords – glamb Spring Collection 2025
“STUNN”をコレクションテーマに掲げ
既存のストリートウェアへの
再解釈を示すglamb。
来春のワードローブの物語を
ブランドスタッフが綴る
■Collection Note
僕が海外でデザインをするようになって今コレクションで4回目を迎えた。今回はオリンピック真っ最中のパリの2区に滞在していた。
まずはこの街に体を慣らそうと思い、到着してすぐに散歩をした。僕が暮らしていた天井の高い、可愛らしいアパルトマンの目の前には古着屋があり、閉店間近のその店に入ると僕の服装をフランス語で褒めてくれる店員がいる。どうやらそこで古着のポップアップをしているみたいだ。
話が弾み、結局その店の中でシャンパンを飲むことになった。これが“アペロタイム”という夕飯の前にお酒を飲むフランス文化なのか。ファッションや音楽の話に意気投合して、一緒にクラブに行く事になった。僕はその時点で35時間ぐらいぶっ通しで起きている。パリでのデザインはそうして幕を開けた。
次の日はセーヌ川に降りてアペロタイムをしながら行きかうクルーズ船を眺めていた。とても優雅な時間だ。今回で人生2回目のパリだが、僕はパリの夕日が好きだ。スタイルが統一された低層の建物に照らされる夕日を見ながらゆっくり流れる時間は東京では味わえない。優雅な時間を過ごしつつも、日本やアメリカでの生活の違いに上手く対応出来ず自分のデザインの面では相当苦しんだ。気分屋の僕は波に乗っていないとデザインが出てこない。常に焦りや悩みを感じていたが、最終日前日にフラっと訪れた教会で今回のテーマ“STUNN”を発表する事を思いついた。
“STUNN”がどんな内容なのかは、こちらの文章を読んで頂きたい。
https://www.glamb-lodge.com/collection/17520/
これなら大丈夫だと、パリでのデザイン最終日にようやく安心することが出来た。そして現在、このコレクションは絶好調に売れている。お金やビジネスの話には興味がないが、僕が愛着を持ってデザインしたアイテム達が皆さんの手に取ってもらえていると数字で分かるのが何よりも嬉しい。僕が信じたデザイン、生地選び、色、スタイリングなどクリエーションをglambファンの方々に認めてもらえた証拠だ。このエクスタシーに近い感覚はドラッグのように僕に幸福を与えてくれると共に、過去の自分を超えるようにと新たな壁や苦しみを味合わせてくれる。
きっと僕は次のコレクションでも悩み、這い上がるだろう。次にパリに行く機会が来たら、きっとそれはランウェイを発表する時かもしれない。その時は、僕が日本に居ない間にオフィスで頑張っているスタッフと共にセーヌ川でアペロタイムを楽しみたい。
■Favorite Item
GB0125/JKT01 : STUNN Drape Neck Jacket
先ほどの文章でも紹介したが、“STUNN”というタイトルは僕がカナダのモントリオールでファッションスクールに通っていた時に作った自分の“ブランド”の名前である。
詳しくは下記のページを読んで頂きたい。
https://www.glamb-lodge.com/collection/17520/
そしてこのジャケットは僕が学生時代に作ったSTUNNのアイテムをそのままサンプリングしたものだ。現在はこのジャケットが一番人気だ。僕が22歳の時にデザインしたこのジャケットには、将来のglambのコレクションの看板アイテムになる素質があったということなのか? いびつな形のドレープ部分は実際にマネキンに布をピンで止めながら作り出したものだ。面倒くさいパターンに沿って生地を切ったり、Provigoというスーパーに売っている大好きなクッキーを口に入れながら夜な夜な縫製をしていた時期は昨日のように鮮明に覚えている。
もし3.11の地震がなければ、僕はそのままカナダに住んでいただろう。汚い東京が嫌いでカナダに移住する事を決めた18歳の自分。でもあの地震が原因で東京でデザイナーになる決心をした。そして、東京でデザイナーになれば世界のどこに行っても通用するだろうって思って帰国した23歳の自分。
今でも僕は世界で通用するデザイナーになりたいと思っている。ここ1年は3ヵ月に1度、海外に行っているがどこに行ってもglambのデザインは高い評価を受けている。ブランドのためにも、glambを信じてくれている方々のためにもこの夢は叶えなければいけないと思っているし、クリエーションの原動力にもなっている。
この夢は、あと少しで手が届きそうな気がしている。それは、この文章を読んでくれている方々の支えがあっての事だと思っています。いつも僕たちを応援して下さって本当にありがとうございます。
■Collection Note
「STUNN」を冠した今コレクションは、デザイナーであるTKのファッションカレッジでのショーの続きを描いている。彼のglamb入社試験のための書類には今回表紙をかざったドレープジャケットを中心としたいくつかのルックがあり、それがとても印象的だったのを覚えている。書類選考の締め切りを過ぎて届いたその資料だったが、面白いやつかもしれないと、面接に進んでもらい最終的には入社にいたったのだった。約15年ぶりに描かれたアイテム群は、しっかりとキャリアを重ねたモノづくりであったし、多くの新しいチャレンジもあった。作品もそうだが、あの時の情熱や瑞々しい感性を呼び覚ますことの大切さを知ったシーズンであった。写真をはじめた当時の写真は正直目も当てられないクオリティだったが、あの時の何者かになってやろうという気持ちだけはいつも持ち続けていたいものだ。
■Favorite Item
GB0125/AC05 : Minimal Leather Sacoche
出歩く時の荷物は常に最小でいたい。財布にスマホ、鍵、イヤホンそれくらいで十分だ。それらを鞄ひとつにまとめて、ポケットをからっぽにして歩きたい。ライトな使い心地でありながらも素材は経年変化も楽しめるタフなカウレザー。実はラムレザーでもサンプルを制作したけど、このハリ感と光沢感で満場一致でこちらの仕様に。とても潔いミニマルな鞄が完成しました。
■Collection Note
glambは創立22年目を迎え、これまでに70作以上のカタログを制作してきました。コラボなどを含むスポットコレクションを合わせると、その数は100を超えます。現在の事務所に移転してから約17年が経ち、展示会は地下のプレスルームで行ってきましたが、今回は特別な場として、原宿の有名な交差点に位置する「ハラカド」にて開催します。新たなコラボレーションの発表や「龍が如く」のポップアップも行いますので、ぜひお越しください。開催日は11月29日と30日です。
今回もありがとうChatGPT
■Favorite Item
GB0125/P02 : STUNN Cargo Pants
中学2年でおしゃれに目覚め、毎週上野のアメ横に通っていた。当時の少ないお小遣いでは古着しか買えず、アメリカ軍のカーゴパンツにゴリラのワークブーツを合わせていた。池袋ウエストゲートパークのようなスタイルに憧れていたのかもしれない。ワイドなカーゴパンツの裾をブーツに入れたくて、靴下の中に裾を押し込んでいたことを思い出す。 STUNN Cargo Pantsを見た瞬間、その頃の記憶が蘇り、当時とは違ったスタイルでブーツインしてみたくなった。
少ないお小遣いは余計だ。でもありがとChatGPT
■Collection Note
今季はTHE BACK HORNの山田将司さんとのフォトセッションの機会をいただきました。ご覧いただけたでしょうか。山田さんのいくつもの戦いをくぐり抜けてきたかのような佇まいと、時折見せるはにかんだ笑顔のギャップに魅せられっぱなしの撮影でした。
■Favorite Item
GB0125/KNT07 : Glitter Openwork Knit
大人の方にぜひおすすめしたいのがこちらのニット。ディスプレイ越しではわかりにくいかもしれませんが、編み地はラメが散りばめられたシャイニー素材。シンプルに1枚で着た際に着る人の魅力を引き立てる、極上のスタンダードニットです。
■Collection Note
STUNN(動けなくなるほどに見る者を魅了する)”をコレクションテーマに掲げた今季、いつも以上にルックに対するLIKEをいただくことが多い。個人的にも入社以来ブランドと関わってきた中で一番かっこいいコレクションなのではと思っています。今月末、11月29日と30日には原宿のネオランドマーク、ハラカドで展示会を開催。入場無料、“LIKE”の理由をぜひその目で確かめに来てみてください。【詳細はこちら】
さて今季のロック話は僕が“STUNN”されたロックミュージック。中学まで邦ロック一辺倒だった僕は高校で洋楽デビュー。きっかけは何だったか忘れましたがスラッシュメタルバンド、メタリカの4thアルバム『…And Justice for All』の1曲目、「Blackend」に僕は文字通り“STUNN”された。静かに始まるイントロに雷鳴のごとく落ちてくるリズムの塊、曲全体を支配する鬼のようなダウンピックングonlyで切り裂くギターリフ、バンドならではの構築的な楽曲展開、1分半におよぶギターソロ(メタリカの中では短い方だが)、そこから戻ってきた時にリズムがひっくり返っているメインリフ・・・などなどギターとドラムのかっこよさがてんこ盛り(このアルバムではベースを語らないのがマナー)。当時のハードロックの傾向そのままに、「歌<楽器」の価値観が植え付けられた瞬間でありました。
■Favorite Item
GB0125/SH06 : Noble Paisley Shirt
何百年も前から存在していて、ミドリムシみたいな柄がなぜロックと結びついたのかわからないが、ロックを象徴するモチーフの一つであるペイズリー柄。中学生の頃、glambでも何度かコラボさせていただいているhideさんの着用で知ったので、ペイズリー=ロック、は違和感なく僕には馴染んでいます。だからと言ってもう若くはない自分が身につけるには派手かなと思う。そんな中出てきたこちらはボディにほんのりとペイズリーが浮かぶ一枚。大人なシャツスタイルをしながらロックを感じる、ちょっと歳をとってしまった方にこそぜひおすすめしたいです。
■Collection Note
TKから今回のテーマを聞き、それに伴い自分自身の「原点」について振り返った。セレクトショップを経営する姉や周りにいたお洒落に気をつかう先輩、友人の影響を受け、高校生の時にコレクション系のランウェイを見るようになった。そこで僕はモードというジャンルにはまり、モードは何なのか考えるようになった。そしてモードとは「この世に生まれていないもの」がモードなのだという結論に至った。まだ見ぬ形や生地を追及して臨んだ今回のコレクションは見慣れたようでどこか新しさを感じるアイテムが多かったはずです。デザイナーという立場に限らず、僕たちglambは何かに挑戦して新しい何かを生み出す使命があり、今シーズンもその任務を達成することができました。毎年絶対に訪れる季節を新鮮な気持ちで迎えられるよう、今シーズンのglambも豊富なラインナップで取り揃えています。皆様のお手元に刺激や新しい感覚として、glambのアイテム達が届くのを願っています。
■Favorite Item
GB0125/ST08 : Corduroy Bondage Set Up
囚人服からインスピレーションを受けたこちらのアイテム。拘束されて危険なムードが漂うイメージに惹かれ、リアルクローズとして昇華しました。囚人服という強いテーマ性を少しマイルドにするため、素材はコーデュロイにし、ダブルカーゴポケットを配することで、もともとの洋服としての機能がゼロに等しい囚人服をリアルでも着用可能なようにアレンジを施しています。シルエットはジャージなどで使われるようなリラックスシルエットにしており、着用してる時は拘束されていそうなのに実際は楽な着心地といのもポイントの一つです。こちらセットアップで展開しておりますので、モードな雰囲気がお好きな方や一味変わったアイテムをお探しの方に特におすすめします。また、11月29日・30日で原宿の「ハラカド」で展示会を行いますので実際に着用してみたい方はぜひそこで試着してみてください。
■Collection Note
怒涛のように訪れ去っていく毎季のコレクション、そんな中、今季は一際息抜く暇がなかったと思う(過去形だが正直今もない)。 それぞれが皆様へのベストを届けられるよう模索し続けるこの空間は常に緊張感がある。皆様へは今季のコレクションはどのように届いているだろうか。アイテムをただ売るだけがミッションでは無い。手にしたアイテムを満足に使い続けていただけるまでがミッションだ。なので1人でも多くの方にglambを末永く楽しんでいただきたいので、忌憚なくお問い合わせいただきたいと思っています。glambを愛していただける皆様と、今季は原宿の新たなランドマーク、ハラカドで有難いことに展示会を2日間に渡りお会いさせていただける運びとなりましたので、ご来場をお待ちしております。
【詳細はこちらから】
※金髪ロン毛テーラードが目印です。
■Favorite Item
GB0125/CS04 : Montmartre T-Shirt
弊社のデザイナー、TKは2024シリーズからインスピレーションを得るため海外へ赴くようになった。今季そのスポットとなったのがフランス、パリ。彼が歩いた街並みの写真を落とし込んだカットソーなのだが、見た瞬間自分もそれを目にしているような引き込まれ方をした。パリは伝統的な建築造形をそのままにしている街並みだったと彼は言っていたが、こちらにも経年変化を感じるようなディテールが込められておりファッションアイテムではなくひとつの作品のような気分で手にしたのを覚えている。皆様もぜひその心地を味わって欲しい。
―Season Contents―
Spring Collection 2025
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