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2022.08.29

Behind the Collection – アイテムが生まれる舞台裏

ファクトリーから垣間見る
オータムコレクション
“The Unknown”の世界

“熟成3年？いや10年物を贅沢に”
GB0322 / CS13
Unknown People CS
Color：Black, White / Price：11,000

「1人前になるのに必要なのは3年。だけどそれでも１から10というわけにはいかないです」。そう語るのはglambがプリントを行う都内のファクトリーの工場長。Tシャツのプリント技法であるシルクスクリーンプリントでは、絵柄をメッシュでかたどった版にインクを乗せ、それをスキージと呼ばれるヘラで刷ってボディに色を乗せていく。1枚1枚が職人の手仕事によるものだ。一見するとシンプルに見えるが、工場で使用するメッシュの大きさは10種類以上。それぞれの版によってスキージを当てる角度や刷る力も異なり、全ての技術をマスターするのにかかるのは1人前になってからさらに3年と言う。glambのカットソープリントの軸を担うのは工場の中でも10年以上の経験を持つ職人たち。同じ時速80kmでも軽自動車のそれと911やGTRでは質が全く違う。一見シンプルなメッセージプリントにも、最大出力のクラフトマンシップが贅沢に息づいている。

“無限のバリエーションの中で”
GB0322
All Cutsew & T-shirts

プリントに使用するカラーインクの調合。子ども時代に描いた水彩画と同様、複数色の絵の具を混ぜながら色を作っていく。一見たやすく思えるかもしれないが、黄昏の空を思い浮かべればわかるよう色の世界はまさに無限のグラデーション。その中で指定された色を作り出す難易度は、一般人には大量のインクと1時間を費やしてやっと。こうして調合された色であっても、実際にプリントしてみるとインクの光沢やテクスチャで色の濃度や見え方は変わる。glambのファクトリーではそうした不確定要素を突破すべく、独自に溶剤の配合を研究。出来上がった「色」に対して、光沢の有無や生地への浸透率を繊細にコントロールしていく。色彩と質感の掛け合わせによる「色」のバリエーションの多さは天文学的なもの。まるで広大な銀河から一つの惑星を見つけるように、今日も「色」を作り続けるglambのプリントファクトリーの職人たちもまた、偉大なる“The Unkown”なのだ。

“回り続ける車輪は加速した月日”
GB0322 / AC02
Heavy Damaged Sneakers
Color：Blue×Brown, Red×Blue, Gray×Black / Price：36,300

glambの掲げる「グランジ」を体現するダメージ加工。これまでのブランド歴の中で培われてきたダメージ技術をウエストコーストスタイルのスニーカーに落とし込んだのがこのHeavy Damaged Sneakers。ライブやスケートボードといったストリートでのライフスタイルを繰り返せば靴に自然と刻まれていく「傷」。それをデザインの要素としてサンプリングし、アッパーの随所に加えた一足です。迫真の経年変化を表現すべく、ファクトリーでは金属製のローラーを装着したバフ機を用意。職人が高速回転する車輪で一足一足やすりがけを行って仕上げます。じっくりと、しかし着実に傷が刻まれる様子は、まるでスニーカーと過ごす夜々を早送りで見ているかのよう。増えていく傷は靴と皆さんの別れではなく、出会いに向けたもの。グランジなのにクリーンな、真っ新な一足があなたを待っています。

“革との対話は続く”
GB0322 / AC04
Advantique Side Gore Boots
Color：Red, Black / Price：40,700

glambのシューズクラフトにおける得意技法の一つであるアドバン仕上げは今季も登場。写真のトウ部分に見られる霜が降ったような革の色ムラは、素材作りと職人の手仕事が一体となって生み出されたもの。アッパーに使用される革は、ベース色に染め上げた後、薄い層の着色を何重にも重ねて用意。縫い上げたアッパーを特殊な処理を加えたクロスで革表面を磨くと、そこに現れるのがアドバン仕上げ特有の色落ち。職人の繊細な仕事によって刻まれたグラデーションの奥には革本来のテクスチャが覗き、眺めていると思わず手を触れてしまう美しさを備えます。さらにブランドのファクトリーの高い表現力を示すのが、加工の再現性。量産にあっては時に一日100足以上の仕上げを行いますが、ブランドの基準に適合しない個体はごくわずか。天然素材であるレザーは１枚１枚癖がありますが、それらを等しく仕上げていく職人の仕事は靴の加工というよりも革との対話という言葉がふさわしい。