2022.08.10

AfterWords – glamb Winter Collection 2022

glamb最新コレクション“The Unknown”
前季に続き、コレクションの着想としたのは
ファン・ゴッホやフランツ・カフカ、ヘンリー・ダーガー等

無名のままに生きた芸術家たち
世間にあふれるノイズに惑わされず

自身の理想をまっすぐに追い求める姿は
きっと人生の道標となるはず

そんな彼らの生き様をスタイルに刻んだ
今冬のワードローブの物語を

ブランドスタッフが綴る

 


―コレクションへの思いは
カッコいい、カッコ悪い。欲しい、欲しくない。自分が創ったアイテムが評価されるのはデザイナーなら当たり前の話だ。仕事として洋服を作る以上、“売れる” アイテムを作るのが大前提だけど、僕はそれ以外に大切にしていることがある。
“自分らしさ”
それは人が人間でいる上で一番の強みであると言えるだろう。僕が創るアイテムは決して安くないし、必需品でもない。だからこそ、glambの洋服を手に取る人は “なりたい自分” が明確ではっきりとした意見を持っている。僕なりの感性を表現した商品に様々な感情を抱いてくれることが、僕にとってのやりがいにつながっている。だから、今回もこれからも自分らしいコレクションを作っていきたいと思います。少しでもglambの世界観に共感していただけたら幸せです。

―今季の一押しアイテムは
KNT01 : Unknown Knit


今季新たなファクトリーと作り上げたこちらのニット。担当者の方がニットメイキングにとんでもないぐらい詳しく、聞くだけでワクワクするような手法が沢山あり、11年目の僕でも初めてのことばかり。それに便乗して色んな想像力が膨らんでしまい、手縫いをしたり、ビーズの色をオリジナルで染めたりとデザイナーって最高だなって思えるアイテムになりました。工場さんは大変かもだけど……。ごめんなさい……。

―自分が尊敬する、
自身の理想にだけ突き進んでいると思う人物は

僕と同期で入社して去年の末に独立した元glambグラフィックデザイナー、西尾敏弘くん。ここに書く人物像にしては近すぎる存在だろう、と思う人もいるかもしれない。でも、近い存在だからこそ分かることがある。彼と僕は厳しいアシスタント時代を経験して後にglambのクリエイティビティを任されることになる。デザイナー2人として、ここでは書ききれない程の濃い経験をした10年後、彼は独立という道を選び、西尾敏弘という素の自分でアーティストになろうとしている。僕が今まで出会った人の中で1、2位を争うであろう奇抜な性格を持った彼はシャープに研がれた、むき出しの日本刀のようなものだ。大体の人は、彼にその刀を “さや” にしまえと言うだろう。だが僕は、逆刃部分も研ぎ澄まし、むき出しのまま思う存分我が道を進んでほしいと思う。成功する奴は、大体が手に負えないぐらい尖った人たちだ。僕はそんな彼を、本当に尊敬している。

 


―コレクションへの思いは
毎度の事ながら怒涛の冬服を作り終え、展示会も終えた私は沖縄にいる。毎年通っていたここにもコロナ禍で3年振りだ。驚くことに8月の沖縄は初めてらしい。朝起きてプール。ランチして海。夜はお酒と島唄。そんな自堕落な私に仕事の依頼が。そう、これだ。思い出すのに大分時間がかかる。青い海を見ながら1ヶ月近い昔の事を考えるのは不可能だ、それも冬のコレクションなんて。私も会社員の端くれ、仕事なので思い返してみる。冬服。暖かい服。暖かくなったプール。青い海。青い空。ダメだ、南の島は人をダメにする。

―今季の一押しアイテムは
P01 : ACE Denim


ヒッコリーのパンツが好きだ。それも太いパンツが。最初にそれを買ったのは裏原黄金期。右も左も生のデニムばかり。当時天邪鬼だった私は生デニムは買ってみるも何か違うと思い、ふと入った45rpmでヒッコリーに出会う。それから20年以上ヒッコリーにゾッコン。glamb歴代のヒッコリーを全部持っているのは20年の歴史の中でも私だけではないだろうか。今回のACE Denimは歴代のヒッコリー史上最高に好み。昔を思い出しM.W.O.B.H.MのTシャツでも引っ張り出して合わせてみよう。

―自分が尊敬する、
自身の理想にだけ突き進んでいると思う人物

人や音楽やモノに影響を受けないで育ってきた私には、これまでの中でも1番難しいトピックだ。今は何とも思わないが、そんな自分を悩んだ時期はあるのだ。高校生の時、何かに興味があるわけでもなく、人がいいと言うモノがいいと思えないただの厨二病とも呼べる学生時代。そんな時に出会った一冊がある。山田詠美さんの『僕は勉強ができない』だ。
周りが自分と違う価値観を押し付けて、それに葛藤したり、家庭環境が複雑で無気力で勉強ができない高校生主人公の話。書きたい事が多すぎてまとまらないが、その著書で思い出すのは、学友にダメ出しをされた時、主人公は『勉強は出来るけどお前不細工じゃん』と相手を黙らす箇所。当時の私には刺さった。これを読んだあたりから、現在の価値観が出来上がったと思う。

 

―コレクションへの思いは
前季に引き続きThe Unknownというテーマを元に展開される今季のコレクション。物作りに携わる身として、今はまだ無名のアイテム達が陽の当たる場所へと導かれるよう願いを込めて作り上げました。ぜひ、顧客展示会やルックブックなどでその思いを感じていただき、トレンドばかりに流されることなく自分だけのLIKEを探してみて下さい。

―今季の一押しアイテムは
CS07 : Unknown Paint CS

「左胸ワンポイントロゴ刺繍のロンT」そんなありふれたアイテムをキャンバスに見立て無名の芸術家がその情熱をインクに込めて散らした本作。コレクションテーマを冠するに相応しい鬱屈さや繊細さが全面に現れたアイテムに仕上がりました。手作業のため、全く同じものが二つとなく、2シーズンに渡り描いたThe Unknownを締めくくる1点です。

―自分が尊敬する、
自身の理想にだけ突き進んでいると思う人物

Julian Casablancas。2000年代初頭、彗星の如く現れ瞬く間に世界中を席巻したバンドThe Strokesのフロントマン。自身の音楽的ルーツを頑なに信じ自分というフィルターを通し今なお発信し続けるアーティスト。ロックの世界では「The Strokes以前か以降か」と言わしめるほど後出アーティストに影響を与える存在。彼らの来日公演とglamb顧客展示会で皆さんにお会いできることを切実に願っております。

 


―コレクションへの思いは
ロケチームは再び北の大地、北海道へ。歴史的建造物から活火山を眼前にのぞむ山の頂上、さらには村が底に沈むダム湖、カモメに占拠された島まで、どのロケーションも刺激に満ちていた。車両が入れないようなタフな場所ではモデル自身も荷物を持ってくれるし、登山だってしてくれる。心身ともに屈強なチームだ。
海外撮影にいけなくなって久しいけど、それ以上ともいえるロケーションに巡り会えているのはとても幸運なことだ。洋服はもちろんだけど、glambって写真が力強いよねと言われたいし、一目見てglambと分かる印象的なビジュアルを作っていきたいと思う。

―今季の一押しアイテムは
JKT10 : Photographer Mountain Parka


デザイナーがまたクレイジなープロダクトを作り出した。フィルムは充分な数を装填できるし、カメラのみならず中望遠レンズも収納可能だとか。瞬発力を第一とするglambの撮影ではカメラとレンズと少しのアクセサリーしか持っていかない場所も多い。そんな時はとても役に立ってくれそうなジャケットだ。イメージ写真でモデルが持っているのはSAMURAIというハーフカメラ、実はファッション界隈ではカルト的な人気を誇るカメラなので見つけた時は是非手にとってみて欲しい。

―自分が尊敬する、
自身の理想にだけ突き進んでいると思う人物

かなり手間味噌な話ではあるが、社長の古谷です。普段通り完さんと呼ばせていただくと、入社当時、デザイン、写真、マーケティング、執筆、空間デザインなどありとあらゆる事を手がける完さんはまさにスーパークリエイターだった。最終的なアウトプットはどれもクールだし、さらにその結果にたどり着くのがとてつもなく早かった。またその理想を求める情熱と一貫した姿勢が、仲間を無言で鼓舞していたのだと思う。写真においては、完さんがやってきたものを僕が超えられているか、その自問自答を繰り返しシャッターを切っています。

 


―コレクションへの思いは
学生時代、周りにはアンチコマーシャリズムな友人ばかりだった。学部柄、小説家なりジャーナリストなりミュージシャンなりを目指す人間が多かったが、大衆的なものを断じ、日夜奇抜な発想を思いついてはそれについて議論した。それから15年ほど過ごす中でコマーシャリズム的なものも確かなプロフェッショナリズムから生まれることに気づき、当然の尊敬をするようになった。こうなってしまった自分はあの卓に座っても当時と同じ目線から延々と議論できないだろうなと感じるが、僕ではない誰かがあの場所で今も同じような議論を続けていることを願う。

―今季の一押しアイテムは
JKT11 : Unknown Tailored JKT

P13 : Unknown Tailored Slacks

glambのテーラードアイテムはスーツの仕立てを専業とする工場で作られており、非常に高いクオリティとなっています。数々の舞台挨拶での着用に加え、先日公開された映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』でも岩田剛典さんの着用スーツとしてglambが使用されるなど、業界内外で評価いただいています。今回は2年ぶりにglambのテーラードが復活、ぜひ一度袖を通してほしい1着です。

―自分が尊敬する、
自身の理想にだけ突き進んでいると思う人物

「Onstage Runway 2020’s」の特設サイトはご覧になったことがありますでしょうか。glambは年3回、さまざまなバンドとコラボレーションして撮影を行っており、登場するミュージシャンは全員僕が尊敬するアーティストです。ビジュアルを見て興味を持ったバンドがいましたら、直接ライブに足を運んでみてください。
https://www.glamb-lodge.com/archive/feature/onstage_runway/

 

―コレクションへの思いは
人間、年を重ねると丸くなるものです。若かりし頃は世間やインターネット上のあらゆる物事に噛みついてSNS上で吠えたり、原稿用紙やシーケンサーにリビドーを発散していた僕ですが、今ではそんな自己顕示欲はどこへやら、趣味について熱く語ることもない平穏な日々を送っています。それはそれで尊い日々ではありますが、それって欲がなくなって精神的に老いてしまうのでは? という危惧も感じています。自分は何に感動し、何に育てられた人間だったのか。いつ熱が冷め、どのように「創造しないこと」に慣れていったのか。そこに現れたコレクションが名もなき表現者たちをリスペクトする“The Unknown”。報われなくてもいい、もがくことの美しさをもう一度この胸に。皆さんのチャレンジに寄り添う洋服の数々をぜひご覧ください。

―今季の一押しアイテムは
JKT05 : Double Brested Denim JKT

 

昨年あたりから気になっているのがデニムジャケット。男らしいという言葉をかけられた経験の無い僕ですが、デニムジャケットが似合うようなタフガイへの憧れがあるのかもしれません。そんなところでリリースとなった今季のデニムジャケットはダブルブレスト仕立て。このボタンを利用することでダブルライダースのようにもなり、男がますます上がる着こなしに。戦争や経済の弱体化などハードな世界になってきていますが、このジャケットを着ることでタフに生き抜く力を引き出していきたいです。

―自分が尊敬する、
自身の理想にだけ突き進んでいると思う人物

高校卒業後、空港で清掃員をしていた“The Unknown”であった頃から「自分はスーパースターになる」と信じて疑わなかった元NBAバスケットボールプレイヤー、デニス・ロッドマン。彼の言葉に次のようなものがあります。「1試合で10リバウンドというのは立派な成績だ。ロッカールームに貼り出してもいいくらいだ。だが俺はそれでは満足しない。なぜなら10で満足する奴はいずれ7や8でも満足するようになるからだ」。派手な髪型や言動から貼られた「バッド・ボーイ」のレッテルとは裏腹に日々ハードなトレーニングで自分を追い込み続ける彼のストイックな姿勢に感銘を受け、当日大学生だった僕はギターの無味乾燥なスケールを24調全て1日何時間も繰り返し練習していました。今はストイックとは程遠い体型になってしまいましたが、ロッドマンの精神は人生最後の日まで忘れないようにしたいと思います。

 


―コレクションへの思いは
真夏なのに、もう冬物。と思いながらも、ファッション業界にいれば当たり前の光景である。そして、僕自身もファッションに携わって毎年感じている冬物への心躍る感情。デザインも勿論だが、僕自身はスタイリングを考えるのが一番好きなので、軽装期から重装期に代わるタイミングが本当に好きだ。特に今季は久々にセットアップのバリエーションがあり、デザイナーのスタイリングは僕自身に無い物をまた見せてくれていて実に面白い。

―今季の一押しアイテムは
JKT11 : Unknown Tailored JKT


P13 : Unknown Tailored Slacks


10代の頃からコレクションランウェイで歩くモデルのセットアップ姿が今でも好きで鮮明に覚えているぐらい、セットアップは永遠のマストアイテム。今回のシルエットが、まさに当時憧れていたダブルブレストジャケットを着崩した雰囲気漂うセットアップ。セパレートで普段着使いもしやすいのでこれ1着で1週間コーデが余裕で作れます。

―自分が尊敬する、
自身の理想にだけ突き進んでいると思う人物

自分のアパレル業界の原点でもあるLAD MUSICIANデザイナー黒田雄一氏。ブレることのないこだわり抜いたデザイン力は勿論のこと、社会人としての心構えや大人の遊び方、人としての心遣いまで教えていただきました。今の自分を形成する上で絶対に忘れることのない尊敬する人物です。

 


―コレクションへの思いは
気づいたら22年最後のコレクションで、年々時間の流れが早いなと感じます……。店舗にも秋物が入荷し始め、早く涼しくならないかなと思いながら今季も文言を書いてました。まだまだ暑い夏が続き、コーデもイメージが湧きづらいかと思いますのでぜひスタッフまでご相談ください。

―今季の一押しアイテムは
JKT07 : Stitch knit JKT


文言を担当していて試着した時に着心地とデザインがドストライクでした。シャツっぽさもジャケットっぽさありながら素材はニットという面白い一枚です。

―自分が尊敬する、
自身の理想にだけ突き進んでいると思う人物

良くも悪くも影響されたのは大学生活ずっと一緒に居た4人の仲間です。大学4年になって遅まきながら就活を始めたのは自分だけ。進路は留年、海外にスケボーしに行く、未定など不真面目で常に金欠で趣味ばっかりやってる自由人たちでした。そんな友達の影響もあって自分の好きな事&趣味ファーストになりました。ポタリングやサウナなど好きな事は色々ありますが、ここ最近で1番ハマってるのはApexというゲームです。総プレイは2500時間以上で上位数%のランクまで行きました。時間を言うとよく勿体無いと言われますが、自分の中で趣味が1番心の支えになってます。

 

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glamb Winter Collection 2022 “The Unknown”
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Staff Stylings Winter Collection vol.1


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